テトとは、ベトナムの旧正月のことです。
テト期間中、ベトナム人は実家に帰省したり旅行に出かけたりして過ごします。この記事では、テト(旧正月)の祝い方や過ごし方について紹介します。
目次
テトとは
ベトナムの旧正月テト
ベトナムでは、旧正月(テト)を祝います。2020年は1月25日が旧正月でした。テト前後と合わせて約1週間ほどお休みになります。
旧正月が近づくと、道端でキンカンや梅、桃の木を売っている人が多くいます。バイクに木を括りつけて運んでいる人もよく見かけます。テトに、玄関の前にキンカンや梅、桃の木を飾るのが伝統だそうです。
テトでは、カウントダウンイベントで花火が打ち上げられたりします。
お正月は祝う?
日本のように年末年始の休暇があるわけではなく、お正月(1月1日)のみ祝日となります。旧正月をメインで祝うことから、お正月は基本的に祝いません。ベトナム人にとってはむしろ普通の休日と同じ認識です。
ただし、ハノイなどの都市部では花火やカウントダウンを開催しているところもあります。外国人向けにバーでカウントダウンイベントも開かれていました。
筆者はダナンで年末年始を過ごしたのですが、期待していた花火大会は開催されていませんでした。
テトの過ごし方
ベトナム人の過ごし方
ベトナム人は家族を大切にすることから、実家に帰省します。ベトナムは、世界的に見ても祝日が少なく約1週間の長期休暇があるのは、テト期間中のみとなっています。
それでは時系列に過ごし方を見ていきましょう。
テト前
テトの飾り付けや新年を迎えるための新しい洋服を買いに行きます。
道端では、家の前に飾るキンカンの木などが売られています。ハノイは桃や桜、キンカンの木ですが、ホーチミンでは杏の木を飾ります。
また、赤色の飾りも多く売られています。赤はラッキーを意味する色だからです。
テト大晦日
カウントダウンの花火を見て新年を待ちます。
テト初日
近所の家に挨拶に行きます。1年の幸せや富、健康を願います。
また、祖父母の家に親戚一同が集まりご飯を食べます。バインチュンと呼ばれる料理が有名です。
ラッキーマネーと呼ばれる赤い封筒に入ったお年玉を渡します。それから、お寺にお参りに行きます。1年の幸せや富、健康をお祈りします。
テト前に準備したキンカンの木は以下のように赤い飾りが付けられて家の前に置かれます。
テト2日目
母方の祖父母の家に行きます。ここでも親戚が集まり、ご飯を食べます。
テト3日目
主に友人と会います。
テト最終日
偽札を火で燃やし、祖先を天へ見送ります。日本のお盆のようですね。
参考
トジョウエンジン|おじいちゃんにもお年玉をあげる!日本と異なるベトナムのお年玉文化を紹介します
Poste|ベトナムのテトはどう過ごす? テトの注意点やイベント情報も紹介
在住日本人の過ごし方
では、在住日本人はテト期間をどのように過ごしているのでしょうか。
貴重な長期休暇を利用し、日本へ帰省する人が多いです。
また、お正月に帰省した人は、テト期間中には海外旅行に行く人が多いです。タイやラオスなどの東南アジアは、距離的に近いため日本からよりもかなり安く行けます。旧正月を祝わないタイ、ミャンマー、カンボジア、ラオスがおすすめです。
ただし、テト期間は航空券が値上がりするため、早めに予約することをお勧めします。
テト期間中の注意点
テト期間は通常時とは異なるため、テト期間中にベトナムに滞在する際は注意が必要です。
お店が閉まる
テト中はレストランやスーパーなどは閉まっています。そのため、テト前にスーパーで食材を買い込む必要があります。
実際に、ローカルレストランや日本食レストラン、美容室などがテト期間中は休業していました。都市部に出店しているイオンはテト期間中でも営業しているため、完全に全てのお店がやっていないということはなさそうですが、普段よりは空いているお店が少ないようです。
ハノイやホーチミンではお店が閉まっていることが多いですが、ダナンは観光都市であることからテトの影響をあまり受けずに楽しむことができます。
テト料金になる
配車サービスのGrabやカフェがテト料金になります。
ベトナムの法律で、テト期間中は時給を3倍支払う必要があるからです。
2020年のテトでは、Grabは1回の利用につき5,000~10,000ドン上乗せされました。
また、カフェではサービス料が加算されます。
渋滞
テト期間中は、バイクや車の交通量が多くなるため道路が混雑します。
テト前は帰省時に渡すお土産の買い出し、テト中は実家へ帰省するためです。
通常は30分程で移動できる距離で、1時間以上かかるなど通常の移動時間の2倍以上かかります。そのため、時間に余裕をもって移動する必要があります。
治安が悪くなる
テト前やテト中はスリや盗難が多くなる傾向があります。普段から気を付ける必要がありますが、テト期間は特に注意を払ったほうが良いです。
まとめ
テト期間中に実家に帰省したり、ラッキーマネーを渡すなど日本のお正月と似ていますね。
街もお正月ならではの飾り付けになっており、普段とは異なるベトナムを楽しむことができます。テト期間に、ベトナムに行かれる方は上記の点に注意して楽しんで下さい。