ケーススタディ

【地域広報】「いわきFC」の”革命的”スポーツビジネス戦略とは?

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スポーツビジネスの最先端を担う「革命」の正体とは?

皆さん、「いわきFC」というサッカー・スポーツチームをご存知ですか?

いわきFC(いわきエフシー、Iwaki FC)は、福島県いわき市をホームタウンとする社会人サッカークラブ。

Jリーグ加盟を目指すチームの一つである。

(引用:wikipedia https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%81%84%E3%82%8F%E3%81%8DFC

ここまでは、ただの「地方のサッカークラブ」だと思われるでしょう。私もこの記事を執筆するまでは何の情報も知りませんでした。

しかし、この「いわきFC」についてサッカー好きの知り合いに聞いてみると、

  • 有名企業のバックアップによる莫大な資金源
  • サッカーなのに”筋肉”でゴリ押しして圧倒
  • リーグ戦も次から次へと優勝をかっさらう
  • 上位部門の相手にも勝利して勢いに乗りまくり
  • しかもメディカル部門で「遺伝子検査」まで行う

などなど・・・。

「本当に地方のサッカークラブか!?」と思ってしまうほどの派手さを兼ね備えたサッカーチームが「いわきFC」なのです。

さて、そんな「いわきFC」はなぜこのような形を取るようになったのでしょう?

 

「魂の息吹くフットボール」の全貌を解明する

「いわきFC」は2015年に福島県いわき市にて発足。「スポーツを通じて、いわき市を東北一の都市にする」という理念とともに活動を続けています。

いわきFCの面白いところは、何と言っても強力なバックグラウンド。「株式会社ドーム」という企業が、各部門でいわきFCをサポートしています。

「株式会社ドーム」は、有名な米国企業「アンダーアーマー」と取引を行っているという意外な特徴があります。

 

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特徴的なロゴマークで「あの会社か!」と思い出した方も多いのではないでしょうか。

さて、”ドーム”はこの長所とともに、サプリメント・メディカルサポートなど、それぞれの事業においてブランドを確立し「いわきFC」を支援しています。

-ドームが提供するブランド一覧-

  • アンダーアーマー:信頼できるスポーツ用品で選手のパフォーマンス向上
  • DNS:アスリートが開発したサプリメントで選手を内から支援
  • ドームスポーツメディカル:「回復と予防」を軸に置き、革命的なメディカルサポートを行う
  • ドームアスリートハウス:世界を舞台に戦うための強靭な身体を作るプラットフォーム構築

(参考:https://iwakifc.com/overview/index.php#profile/1

 ※以下のページで説明します。

いわきFCは、これらの強力なバックグランドを武器にサッカー界に「革命」を起こしてきました。

今回の記事では、それらの革命を3つに絞ってご紹介していきます。

【地域振興革命】「サッカー」と「地域広報」を結びつける

いわきFCは「地域振興」に重きを置くことで「地域広報」の観点からも成功を収めており、地域広報を行っている組織の良い例であると指摘できます。

さて、いわきFCは「いわき市を東北一の都市にする」というテーマを掲げていますが、ここでそのテーマができたストーリーをご紹介しましょう。

東日本大震災を機にいわき市を訪れた”株式会社ドーム代表取締役CEO”安田秀一氏らは、悲惨な現場を見て復興支援を行うと心に誓います。

東北の真の復興と、サステイナブルな成長。その後押しのためにできること。それは「雇用の創出」だった。ドームはいわき市に、アンダーアーマーの国内流通を一手に担う物流センター「ドームいわきベース」を建設。数百人の新たな雇用を生み出した。

(中略)

楢葉町にあったJヴィレッジが震災の影響で使用できず、サッカー人口の多い浜通り地域のスポーツ環境は悪化。子ども達が屋外で運動できないことで、肥満や運動能力の低下が問題となりつつあった。

こういった状況を踏まえ、ドームが出した結論。それは、ドームいわきベースの広大な敷地内にスポーツファシリティを整備すること。そして、そこにサッカークラブを立ち上げることだった。

(引用:https://sports.yahoo.co.jp/official/detail/201910080026-spnaviow

拠点であるいわき市の「地域復興」を背景に「いわきFC」は生まれたというわけです。

そして、代表取締役・大倉智氏はこう語っています。

そこに暮らす人の心が豊かになれば、都市の幸福度は上がっていくはずだ。東北一というのはある種の掛け声で、いわき市が幸せなまちであればいい。いわきFCの究極の使命、存在意義はそこにある。(中略)

大倉のどっしりとした落ち着きは、いわき市や市民と「一緒に歴史を作っていく」という覚悟と、1年目の手応えの表われだ。

大倉は実感したと言う。地域を豊かにするという明確なビジョンを前面に押し出せば、むしろゼロからのスタートだからこそ、浸透していくのも速い。地元の企業が大半を占めるスポンサーからの協賛金も、ファンクラブの会員数も、1年目は目標をクリアできた。

(引用:https://victorysportsnews.com/articles/17/original

あくまでもいわきFCは「試合で勝ち星を上げ続ける」ことが第一目標ではなく、「サッカーを通じていわき市に元気を取り戻し、やがて”東北一の都市”にする」というのが最終目標なわけですね。

つまり、いわきFCには「地域を経済的な部分から活性化させ、同時に”魂の息吹くフットボール”を提供することでスポーツ的な部分でも地域を活性化させる」という確かなビジョンとともに、地域広報の活動を行っているのです。

 

【マーケティング革命】サッカーとは「興行」である

さて、いわきFCが重点を置いているのが「サッカーは試合ではない、興行である」というモットー。

90分間止まらない、倒れない。前へと走り続け、ボールを奪い、ゴールを決める。

アグレッシブな「魂の息吹くフットボール」を展開し、観客を熱狂させるエンターテインメント空間を創り上げます。

(参考:いわきFCのクラブ概要、STRATEGYより https://iwakifc.com/overview/index.php#profile/1

そう、いわきFCはサッカー(試合を行うスタジアム)を「お客さんに足を運んでもらい、熱狂させ、喜んでもらう場」であると考えているのです。

この理念について語っている、いわきFCの総監督・大倉智氏の考え方が非常に興味深いです。

興行における収益の基本は、お客様からいただく入場料収入。これが、試合をする選手が手にする対価(報酬)となります。だから、見に来てくださったお客様に『また見たい』と思ってもらうこと。これが興行の本質。(中略)

『魂の息吹くフットボール』とは、お金を払って試合=興行を見に来てくれた方々に、いわきFCが提供する「商品」です。

(引用:https://sports.yahoo.co.jp/official/detail/201910110020-spnaviow

そして、この「魂の息吹くフットボール」という”商品”を提供するため、いわきFCはフィジカル強化に圧倒的な時間を投資しています。

入団前の試験(いわゆるトライアウト)でも垂直跳び・立ち幅跳び・ベンチプレスなど6種類の体力検査を行うほど力を入れているのです(一般的には即席チームを作り試合をするだけ)。

また、YouTubeにて、いわきFCがどれほど日常の練習でフィジカルトレーニングに重点を置いているのかを確認できる動画がアップされていました。

「我々が作っているのは試合という商品なので。試合を見せてお金をいただくという商品なので。(中略)

”なんなのこの人たち”というのを見せないと興行として成立しない

「相手のミスを待ち、自分からは攻撃に行かない」というJリーグの試合スタイルへの皮肉というのも相まって、いわきFCの唯一無二な「フィジカルで勝つサッカー」が他団体よりも目立つという好環境が生まれています。

いわきFCは「サッカー=スポーツビジネス」というマーケティングの視点をサッカーに取り入れ、サッカーを興行という視点でプロデュースし、またそれが選手強化に繋がっていることで唯一のサッカーを提供できるといって過言でないでしょう。

(参考:https://www.dnszone.jp/magazine/2016/0205-001.phphttps://sports.yahoo.co.jp/official/detail/201910110020-spnaviow

 

【メディカル革命】医療部門で”治す”のではなく”強くする”

本筋とはズレるかもしれませんが、ここではいわきFCの”地域のサッカークラブ”とは思えぬほどに確立された、医療部門での実践例をご紹介します。

①オフ開けの体力測定:毎週ごとに5項目の体力検査を行い、疲労具合・脱水状況・神経疲労などを測定。あらい出したデータを監督に伝え、データと実際の状況を判断した上でトレーニングの負荷を調整、また選手もコンディションの変動をデータとして確認できる

②ケガのレポート:負傷したデータを取りレポートを作成。起こりやすいケガ・起こりにくいケガを判定し、それを元にトレーニングメニューを考えることでさらなる効率化を目指せる

③遺伝子検査:遺伝子を確認し、そのタイプごとに合った(個別性を重視した)メニューを選択することでフィジカルトレーニングを効率化することも可能となる

④採血:ヘモグロビン・総蛋白・貯蔵鉄などの数値を採血でチェックし変動を記録。数値が目標値に達していなければ、栄養指導やサプリメントで調整を試みる

(参考:https://www.dnszone.jp/magazine/2017/1227-001.php?utm_source=Facebook&utm_medium=Facebook&utm_campaign=171229&fbclid=IwAR3GspwaxGHeyXVlcytlp7z4f_WuAg5dJlWlI0QplLFmXvQkhRFI7f_Pr8g

一般的に、医療部門の役割は「ケガを治す場所」というイメージが定着していると思います。

しかし、いわきFCは「医療部門を選手を強くする場所」という新たな理念を作り出すことで「革命」を起こしたのです。

また、いわきFCのチームドクター・齋田良知医師はこう語っています。

現場との連携については、スタッフ全体が一つになっており、非常にやりやすかったです。なぜかというと『90分間、アグレッシブに走り続ける』という、目指すサッカーがはっきりとあるから。

その形が明確なので、こちらはそのための身体作りを行えばいい。そして『ケガをしたら治す』ではなく『この戦術を遂行して負傷しない身体を作るには何をすればいいか』を考え、プログラムを作っていく。

目指すサッカーを体現するためにすべきことを、チームに関わる全員がピッチとオフザピッチそれぞれで共有し合い、同じ方向を向いて歩いていく。今のいわきFCはそれができています。

(引用:https://www.dnszone.jp/magazine/2017/1227-001.php?utm_source=Facebook&utm_medium=Facebook&utm_campaign=171229&fbclid=IwAR3GspwaxGHeyXVlcytlp7z4f_WuAg5dJlWlI0QplLFmXvQkhRFI7f_Pr8g

今までの概念にとらわれず、データの採集・利用などで医療部門をフル活用することで、選手のトレーニングを効率化させることに成功したのです。

少し話はズレますが、これには共通目標(この場合は”アグレッシブに攻め続けるサッカーという商品を作る”)を組織全体でしっかりと意識しているということも、目標達成のためのKPIを作りやすいということから、成功に大きく起因しているといえるでしょう。

これを広報の視点から捉えると、いわきFCがある種”異常なほど徹底して戦略を練っている”ことで話題を呼びやすく、口コミとして広がることで広報の役割を担うことに成功しているとも言えると思います。

異質性が広報の成功要因では大きなカギを握るのかもしれませんね。

 

まとめ

「地域振興」と「スポーツ」からも広報は生み出せる!!

いかがでしたか?

通常の記事よりマーケティングの色が強まってしまったかもしれませんが、一般的な「広報」という概念に囚われず、自身にしかない長所を活かして独特で目につくような広報を行えば、より強い広報効果を得られるかもしれません。

いわきFCの爆進に今後も注目が集まりそうです。

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Kazuki Hori

Kazuki Hori

「3度の飯より10度のプロレス」を謳う重症患者のプロレスファン。 2019年8月よりハノイにて留学を開始。 マーケティングの勉強をキッカケにVEHO Worksにインターンとして参加、PR BOXの管理を任され現在に至る。 好きなレスラーは”世界一性格の悪いプロレス王”こと”鈴木みのる”。

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