ケーススタディ

【近大マグロ】近畿大学の驚くべき広報戦略とは?

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”広報ファースト”近畿大学

さて、今回は「近畿大学の広報戦略」について考察してみます。

つい最近では、近畿大学がウナギの養殖で人工孵化に成功したニュースが話題になりました。


関西地区では京大・阪大の国公立、あるいは関関同立の私立校が上位の大学ブランドを席巻しています。

しかし、2014年の志願者数ランキングでは、4年間上位に君臨していた明治、そして早稲田・法政等を抜いて近畿大学が堂々の1位を獲得したのです(15年も2年連続)。ブランドでは上位であるはずの立命館(6位・87,000人)・関西大(7位・84,000人)を引き離し、近畿大学の志願者数は圧倒の105890人です。(引用:https://bake-jp.com/magazine/?p=354)

この志願者数獲得をなし得た、近畿大学の広告戦略を学んでいきます。

①民間企業に引けを取らない宣伝活動量

近畿大学の2016年度の年間ニュースリリース本数は474件(2013年と比べ約2倍)、年間取材件数は1426件(2013年と比べ約3倍)と取材・ニュースリリースともに1日で2-3本をこなす、まさに大手企業と同等かそれ以上の発信力です。

しかも近大によると「同規模の関西エリアの大学と比べて6倍以上のリリースを出しているとのこと。

広告宣伝を”ただの大学雑務の一部”と捉えず、専門職的に取り組んでいるからこそ、このような広告量を補えるのでしょう。

また、SNSでの宣伝も盛んで、近大ツイッターにはこんなものが(2019年9月26日現在)。

2019年4月に話題となったPEPSIの「本田とジャンケン」のパロディし、完成したのが「マグロとジャンケン」

新聞、ネットニュースのみならずSNSまでフル活用していることからも、近大の広告に対する熱意が伝わってきます。

(参考:https://mag.sendenkaigi.com/kouhou/201712/kindai-maguro/011926.php

 

②”大学の序列という「固定観念を、ぶっ壊す」

先程述べたように、関西地区では「関関同立」、関東地区では「GMARCH」「早慶」「旧帝大」など大学の”序列”が存在しています。

この既に大学がブランド化された序列は上記以外の大学にとってはかなりの阻害因子となり、大学側としては苦戦を強いられてしまいます。

この現象について、近畿大学の総務部長・世耕石弘氏はこう語っています。

関西でいうと国立大学を一部リーグとすると、その次の二部リーグが「関関同立」、三部リーグが「産近甲龍」に分けられます。私たち近畿大学は、知らないうちにこの三部リーグに位置しているのですが、どんなに上のリーグに行きたいと思っても、受験生の頭の中に植え付けられたリーグ分けを覆すことができないのです。

これを踏まえて制作された広告がこちらです。


このバイアス化した大学の”序列”、すなわち「固定観念をぶっ壊す」ことをテーマにして、この広告を作成したのです。山の頂上から突き出ている、おなじみ”近大マグロ”も目を引く斬新なデザインです。

世耕さんの表現する「三部リーグ」という不利な状況を逆手に取り、あえて大学のキャッチコピーとして用いたことが大きな反響を得たのです。

(参考:https://bake-jp.com/magazine/?p=354

早慶”近”

また、この「固定観念をぶっ壊す」をテーマに、近大は新たにこのような広告を制作しました。

「早慶」とは日本の私立大学の天辺である早稲田大学・慶應義塾大学の頭文字を取ったものですが、その二文字に加えて「近」の文字が。

これには背景があり、名高い教育雑誌の一つである「タイムズ・ハイアー・エデュケーション」による「世界大学ランキング2016-2017」にて、慶應義塾・早稲田と並び、近畿大学が601-800位にランクインしたのです(日本の大学は国公立私立を含め69校がランクイン、さらに他の私立総合大学である関関同立GMARCH等は「早慶”近”」以下という結果)。

このランキングでは東大、京大など名門国公立が上位にランクインしているものの、私立大で早慶に並びランクインしているのは近畿大学のみ。

この事実を活かし、上記の広告制作に至ったのです。「近大は早慶と同じレベルである」という結果はまさに受験生が持つ”固定観念をぶっ壊す”ことのできる広告ですね。

(参考:https://cakes.mu/posts/15626

 

③価値の再定義、斬新すぎるキャッチコピー

近大の驚愕的な広告は頭でも触れてきましたが、他にもまだまだギョッとしてしまうような広告があります。

  • 近大マグロの資産活用「マグロ大学って言うてるヤツ、誰や?」

この広告を作る前、近大マグロは使い古されたコンテンツとして扱われていましたが、その価値を再確認・再定義することで近大マグロを広告に活用することに決めたそうです。今では「近大と言えば養殖マグロ」と言われるほど、象徴的な存在ですよね。

(参考:https://cakes.mu/posts/13983

  • 出願の完全ネット化「近大へは願書請求しないでください。

今までは「願書は手書きで書くもの」という考えが一般的でしたが、世耕さんはこう述べています。

 だけど、実際にそのきちんとした字で書いているはずの願書を見てみたら、みんな大量に出しますから、もうぐちゃぐちゃな文字なんですよね(笑)。
大学側の人間が言う理想に反して、実態としてはこの状態。だから私には手書きである意味がまったくわかりませんでした。

(中略)

近畿大学は今年で設立91年になりますが、他の大学の長い歴史に比べればまだまだ短いものです。だからこそ、伝統を誇る必要もないし、昔からのしきたりに縛られることもないというのが強みだと思っています。
もちろん広報の側面でも、大学に入るうえで誰もが触る願書が完全ネット化するということで「斬新なことをやる大学」として見てもらいたいという狙いもありました。

(引用:https://cakes.mu/posts/13983

  • 「『早慶近』じゃ無くなったことに関するお詫び」

”②「価値観を、ぶっ壊す」”にて、「早慶近」の広告を取り上げましたが、実はその一年後、そのランキングにて他の私立大学が601-800位という同じ帯にランクインしてしまったのです。

それを受け「早慶近中東立法明上」という新たに他大学に肩を並べてしまったことで近大は「たった1年で『早慶近』じゃなくなったことを重ねてお詫び申し上げます」と”エセ謝罪広告”打ったのです。

普通であれば一転し不利になったとも取れるこの状況を、逆に広告を打つチャンスと捉えた近大は、まさに広告の鬼といっても過言ではないでしょう。

(引用:https://www.sankei.com/west/news/180122/wst1801220001-n2.html

他にも、近大のオウンドメディアである「Kindai Picks」の運用、Amazonでの教科書販売、学生が使えるVISAプリペイドカードの導入など、近大に興味のない人も気を引くような施策を導入し、話題を切らせないようにしています。

(引用:https://bake-jp.com/magazine/?p=354

まとめ

②「固定観念をぶっ壊す」にてご紹介した世耕氏はこうも語っています。

既存メディアは、国立・早慶・関関同立 至上主義です。そこを打破するためには、広報しかない。それもお金のかかる方法はできへん。じゃあ、僕らにはネット広報しかない。インターネットを味方にして、恐ろしいほどに情報発信をするしかないんです。

(引用:https://bake-jp.com/magazine/?p=354より)

 

昨今、日本社会では2018年問題(少子化等で大学進学者が減少する現象)を危惧する声もありますが、そこで大学の価値を再定義して、斬新な広告を打ちまくったからこそ近大の成功につながったのでしょう。

また、これは大学のみならず、会社の広告そのものやキャッチコピーを考える際にも重要な考え方となるでしょう。

皆さんも近大にならって広報改革を打ち出し、”価値観をぶっ壊す”ことに挑戦してみてはいかがでしょうか。

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Kazuki Hori

Kazuki Hori

「3度の飯より10度のプロレス」を謳う重症患者のプロレスファン。 2019年8月よりハノイにて留学を開始。 マーケティングの勉強をキッカケにVEHO Worksにインターンとして参加、PR BOXの管理を任され現在に至る。 好きなレスラーは”世界一性格の悪いプロレス王”こと”鈴木みのる”。

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